
皆さま、こんにちは。院長の梶谷です☺️
ご存じのように、日本はすでに超高齢化社会へと突入しています。しかし、高齢化という課題は日本に限らず、今や世界中で深刻な問題となっています。
厚生労働省のデータによると、65歳以上の人口は1950年には約1億3千万人弱でしたが、2020年には7億4千万人に達し、2060年には18億8千万人にまで増加すると予測されています。
このように、高齢化への対応は世界的に見ても喫緊の課題となっており、WHO(世界保健機関)は疫学調査に基づき、「予防可能な認知症リスク因子」を昨年発表しました。その主な内容は以下のとおりです。
■ 小児期
1.教育不足(5%)
■ 中年期
2.難聴(7%)
3.高コレステロール(7%)
4.うつ病(3%)
5.外傷性脳損傷(3%)
6.身体不活動(2%)
7.糖尿病(2%)
8.喫煙(2%)
9.高血圧(2%)
10.肥満(1%)
11.飲酒(1%)
■ 高齢期
12.社会的孤立(5%)
13.大気汚染(3%)
14.視覚障害(2%)
この調査によれば、生涯にわたる認知症リスク因子のうち、最大で全体の45%が修正可能とされています(残りの55%は加齢や遺伝といった修正不可能な因子です)。
なお、この調査は2020年にも行われており、今回の最新版では「視力低下」および「高LDLコレステロール血症」が新たにリスク因子として追加されました。
こうして見ると、私たちの努力次第で、将来の認知症リスクをおおよそ半分にまで減らすことが可能であると期待できます。皆さまも、上記のリスク因子を参考に、日々の生活習慣を見直したり、必要に応じて医療機関を受診したりすることを検討してみてください。
【参考文献】
1.UN,World Population Prospects: The 2022 Revision
2.Living ston PG et al., Lancet, 2024
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01296-0/abstract