相談支援事業所みなかぜでは、地域の皆さまが障害や病気を抱えながらも、自分らしく安心して暮らしていけるよう、日々の相談支援を行っています。そのなかでも「病気を抱えながら働くこと(就労支援)」は、地域生活を支える上で非常に重要なテーマとなっています。
今回は、2026年6月16日(火)にオンラインで開催された、令和8年度 福岡県・福岡市難病相談支援センター主催の就労支援者向け研修会「膠原病(こうげんびょう)のある方の『働く』を支える」に参加しました。その内容と、今後の支援に活かすための学びを共有いたします。

◆ 研修会参加の背景と難病就労の現状
日々の相談のなかでは、「難病と診断され、これまで通りの働き方ができなくなった」「周囲に病気のことを理解してもらえず、仕事を辞めざるを得なかった」という切実な声が少なくありません。
特に、今回テーマとなった「膠原病」をはじめとする指定難病は、20代〜60代の「現役世代」に多く発症するという特徴があります。しかし、免疫系や消化器系の難病を抱える方のうち、障害者手帳をお持ちの方は約11%にとどまり、約9割の方は「一般雇用」の枠組みのなかで病気と向き合いながら就職活動や勤務継続をしなければならない現状があります。
障害者総合支援法においては、手帳がなくても指定難病の診断があれば「障害福祉サービス(就労移行支援や就労継続支援など)」の対象となります。そのため、私たち相談支援事業所が難病への正しい理解を深め、医療・労働(ハローワーク等)と密に連携していくことが極めて重要です。

◆ 研修会から学んだこと:周囲から見えにくい「三大症状」
今回の研修で最も強く認識したのは、支援者が知るべき「見えない三大症状」と「活動能力の変動」への理解の必要性です。膠原病のある方は、以下のような周囲から見えにくい困りごとを抱えています。

✅慢性的な疲労感: 見た目は元気そうに見えても、常にインフルエンザの初期のような重い怠さが継続する。

✅レイノー現象と冷え: 寒さやストレスで指先が真っ白・青紫色に変色し、激痛を伴う。

✅関節の痛みと朝のこわばり: 起床後数時間は、手が握れないなどの症状があり、朝一番の重労働が難しい。

これらは「日によって、時間によって」波のように変化するため、職場で「昨日はできていたのに、なぜ今日はできないのか」と誤解されやすい最大の障壁となっています。
本人が「病気はあっても働ける」と自信を持てるよう、まずは主治医の意見を踏まえて自身の『取扱説明書』を一緒に作り、適切な合理的配慮の伝え方を整理する「土台作り」から伴走することの重要性を痛感しました。

◆ 相談支援の立場から:これからの取り組み
相談支援専門員は、単に手続きや紹介を行うだけでなく、その人が病気と共に自分らしく地域で働き続けるための選択を一緒に考えるパートナーです。今回の学びを活かし、当事業所として今後は以下の取り組みを強化してまいります。

✅「病気活動性」と「臓器ダメージ」の正しい切り分け 一時的に業務量を落とすべき「悪化期(フレア)」なのか、常に配慮が必要な「固定した障害(息切れや関節の変形など)」なのかを正しく把握し、本人の体調に合わせた弾力的な就労プランを福祉の視点から提案します。

✅メディカル・労働・福祉の密なネットワーク構築 当院の医療スタッフ(主治医やMSW)はもちろん、ハローワークの難病患者就職サポーター、地域の福祉事業所と速やかに情報共有・ケース会議を行える連携体制をさらに強固にしていきます。

✅孤独にさせない地域づくり 難病情報センターのハンドブック等の情報提供に加え、同じ境遇のロールモデルや仲間と繋がれる「ピアサポート」への橋渡しを意識し、当事者の方が「ひとりじゃない」と思える環境を地域に作っていきます。

◆ これからも、つながりを力に
病気があっても、自分に合った働き方を選択し、安心して地域で働き続けられるよう、私たちはこれからも関係機関や医療チームと協働しながら、皆さまの「働く」と「生きる」を全力で支えてまいります。
お悩みやご不安なことがあれば、いつでも当相談支援事業所までお気軽にご相談ください。