第15回日本精神科医学会学術大会にて、みなかぜ病院の取り組みを発表しました。
※発表者:松﨑秀隆:理学療法士 / 保健医療学(博士)

今回の発表テーマは、
「衝動性が顕著な症例に対する身体合併症へのアプローチ」です。
精神科医療においては、精神症状への治療だけでなく、患者様の身体機能の維持・改善も非常に重要な課題となっています。
特に活動量の低下や精神症状の重症化などにより、可動域制限や筋力低下といった身体機能への影響が生じることも少なくありません。
そこで、今回の発表では精神症状に加え、身体機能にも課題を抱える患者様に対して、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・精神保健福祉士などが連携し、多職種で支援に取り組んだ症例を報告しました。

◆ 精神科医療と身体へのアプローチ
発表では、衝動性が顕著で精神的にも不安定な状態にある患者様に対し、服薬調整と並行して身体機能へのリハビリテーションを実施した経過を紹介しました。
具体的には、関節可動域練習、筋力強化練習、座位・立位保持、持久力練習、歩行練習などを行い、患者様の状態や興味・関心にも配慮しながら、無理のない身体活動の機会をつくっていきました。
介入にあたっては、多職種で積極的に協議を重ね、身体介入のタイミングや、実施時間を慎重に判断しました。

◆ 多職種連携によって生まれた身体機能の変化
継続的なリハビリテーションによって徐々に立位の安定性が向上。最終的には安定した歩行へと移行することができました。
これらの結果は、多職種が一体となって患者様を支えることの意義を改めて示すものとなりました。

◆ 精神面と身体面の両方を支える医療を目指して
精神科医療では、精神症状への対応と同時に、患者様一人ひとりの身体状況や生活機能にも目を向ける必要があります。
身体機能の低下を防ぎ、日常生活の中で身体を動かす機会を確保することは、患者様の生活の質(QOL)の向上にもつながります。
一方で、精神的に不安定な状態にある患者様への身体的な介入には、慎重な判断と細やかな配慮が欠かせま

せん。
だからこそ、職種ごとの専門性を生かしながら情報を共有し、患者様にとって適切な支援の方法を多職種で考えていくことが大切です。

◆ 今後に向けて
今回の学会発表は、日々の臨床現場で積み重ねてきた取り組みを振り返り、その成果や課題を共有する貴重な機会となりました。
また、他施設の発表や取り組みに触れることは、私たち自身の医療を見つめ直し、新たな視点や知識を得る機会にもなります。
みなかぜ病院では、これからも精神科医療の専門性を大切にしながら、精神面・身体面の双方から患者様を支え、一人ひとりがその人らしい生活を送ることができるよう、多職種連携による医療の充実に努めてまいります。

今後も、日々の実践を大切にしながら、より良い精神科医療の提供を目指して取り組んでまいります。