皆さま、こんにちは。院長の梶谷です☺️
5月になりましたね!
朝晩の爽やかな風、抜けるような青空…、本当にいい季節です(日中は少し汗ばむほどですが… …)。
「5月」と聞いて、皆さまそれぞれに様々ことを思い浮かべるのではないでしょうが、私の場合… …、
「なつも、ちぃ〜かづく、はぁ〜ちじゅうはちや〜♪(夏も近づく八十八夜)」
… …という童謡『茶摘』が思い出されます。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「八十八夜」とは立春から数えて88日目にあたり、おおよそ5月2日頃になります(今年は5月1日でした)。
今年の八十八夜はすでに過ぎてしまいましたが、今回は皆さまと“お茶(特に緑茶)”に関する興味深い話題をシェアしたいと思います。

緑茶に認知症予防効果が!?
実は、緑茶に含まれるある成分には、認知症の予防効果があるといわれています。
国立長寿医療研究センターが2020年に発表した研究(文献1)によると、緑茶を1日に2〜3杯、あるいは4杯以上飲むグループは、1日1杯未満のグループに比べて、認知機能の低下リスクが約30%も低下したそうです。

さらに、金沢大学が2025年1月に発表した研究(文献2)では、緑茶の摂取量が多い高齢者ほど、脳の白質病変(大脳白質における血流不足による障害)が小さい傾向にあったことが報告されています。
これらの知見を総合すると、「緑茶を飲むことで脳の血流が改善され、認知症のリスクが減少する可能性がある」と考えられます。では、なぜ緑茶にこのような効果があるのでしょうか?

その理由の一つが、緑茶に含まれる「カテキン」という成分です。カテキンには抗炎症作用や抗酸化作用があり、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβの蓄積を抑える働きがあるとされています。
また、緑茶に多く含まれるアミノ酸の一種「テアニン」にも、アミロイドβによる神経細胞の死を防ぐ効果があることが明らかになっています(文献3)。

お茶、飲みたくなってきませんか?
このような科学的エビデンスを見ると、なんだかお茶が飲みたくなってきますよね。
実は私も、健康を意識して、某お茶メーカーの特定保健用食品(トクホ)のお茶を毎日飲んでいます!
皆さまも、認知症予防の一環として、1日2杯以上の緑茶生活を始めてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】

  • 緑茶にする?コーヒーにする?~認知機能と関連性~. 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 2020
    https://www.ncgg.go.jp/ri/advice/46.html
  • Green tea consumption and cerebral white matter lesions in community-dwelling older adults without dementia. Shibata S et al., NPJ Sci Food, 2025
    https://www.carenet.com/news/general/carenet/60004
  • l-Theanine, an amino acid in green tea, attenuates beta-amyloid-induced cognitive dysfunction and neurotoxicity: reduction in oxidative damage and inactivation of ERK/p38 kinase and NF-kappaB pathways. Kim TI et al., Free Radic Biol Med, 2009
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19766184/