
皆さま、こんにちは。院長の梶谷です☺️
福岡も、ついに梅雨入りしましたね☂️
ジメジメしていて、私はとても苦手な季節なのですが、皆さまはいかがでしょうか?
シトシトと降る雨に“風情”を感じて好きという方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的に梅雨ははあまり好かれていないようです。そしてこの時期は、気分が落ち込みやすいとも言われています。
実際、疫学や気象研究の分野でも、降水量の増加と気分の落ち込みには関連があるとされています。
たとえばアメリカで行われた研究によると、雨が多くなるとSNS上でネガティブな発言が増える傾向が見られるそうです(文献1)。
(梅雨にXやインスタは控えた方がいいかもしれませんね……)
……ところで、なぜ梅雨(雨季)になると気分が落ち込むのか、ご存知でしょうか?
よく言われるのは、湿度の上昇、日照時間の減少、気温の変化などが自律神経に影響を及ぼすという説です。しかし最近では、「気圧」の影響も大きいことが分かってきました。
(皆さまも、雨雲=低気圧が近づくと、「なんだかだるい…」「頭痛がする」「耳鳴りがする」といった不調を感じたことはありませんか?)
実は、これを科学的に示した日本の研究があります。
(文献2)。
10数年前、名古屋大学で行われた実験では、ラット(ネズミ)を気圧調節装置に入れて約20hPa減圧したところ、低気圧下のラットは通常の気圧下にいたラットよりも、うつ症状を示しやすくなったそうです。
さらに、すでに実験的にうつ状態にされたラットを低気圧下で飼育した場合、その症状がより悪化することも確認されました。
ネズミですら低気圧で元気がなくなるのですから、ネズミよりも繊細な私たち人間が影響を受けやすいのも納得ですね。だからこそ、梅雨は健康な方にとっても、そしてうつ病を抱える方にとっても、つらい季節になりやすいのです。
ちなみに、研究者たちは、低気圧がラットのうつ症状を引き起こす理由として、自律神経系、特に交感神経系への影響が関係しているのではないかと指摘しています。
つまり、湿度・日照量・気温と同じように、「気圧」もまた自律神経のバランスに深く関わっているということですね😆
最後は少しふんわりした解説になってしまいましたが、このブログが梅雨時のちょっとした「気晴らし」になれば幸いです🍀
【参考文献】
- Weather impacts expressed sentiment, Baylis P et al., PLOSONE, 2018
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29694424/ - 天候変化と気分障害. 佐藤純 ほか, Jpn J Biometeor. 48(1)3-7, 2011
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/48/1/48_1_3/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com