
皆さま、こんにちは。院長の梶谷です☺️
当法人は、8月から翌年7月までを1期と定めており、先月より第33期がスタートいたしました。
第33期──特に節目となる数字ではないかもしれませんが、院長はこの「33」という数字を見て、医療にとって象徴的かつ意義深い数だと感じたそうです。
(ゾロ目が縁起が良い、という単純な話ではありませんよ)
仏教の教えによると、観音菩薩は人々を救うために、老人、子ども、兵士、僧侶、鬼、天女など、実に33の姿に変化するとされており、「三十三観音」として古くから信仰を集めています。
では、なぜわざわざ姿を変える必要があるのでしょうか?
そこには、深い理由があります。
人々の悩みや苦しみは一人ひとり異なり、その状況に応じた対応が必要です。だからこそ、観音菩薩は臨機応変に姿を変え、その人に最もふさわしい形で手を差し伸べたのだそうです。
これは言い換えれば「一つの方法」に固執するのではなく「多様なアプローチ」で人々を救うという考え方です。
この考え方、精神科医療にとてもよく似ていると思いませんか?
精神科の疾患は、たとえ同じ病名であっても、症状や社会的背景、性格などによってまったく異なる様相を呈します。まさに、“同じ患者さん”は存在しないのです。
患者さん一人ひとりに応じた対応──つまり、三十三観音のような柔軟で多面的な姿勢が、精神科医療には求められているのです。
冒頭でもお伝えしたとおり、みなかぜ病院は今期で第33期を迎えました。
今期は「患者さんそれぞれの悩みに応じた医療」を、より一層心がけていきたいと考えております。