患者様一人ひとりに寄り添う看護を高めるため、病棟の垣根を越えた「精神看護ワーキング」を定期開催しています。

故堤啓名誉院長ご指導のもと、2020年9月より開始した精神看護ワーキングは今年で丸6年が経過しました。2022年9月に堤啓名誉院長は逝去されましたが、偉大な臨床医としてだけでなく、教育者として、ご勤務された最後の最期まで精神看護ワーキングのことを気にかけて下さいました。

「大切なことは患者さんを知ること、患者さんの背景や思いを理解して関わることである。」

介助する人がきめ細やかな対応の中で優しく問いかける。たとえそれが本人に理解されようとされまいと、自分は特別な人から介護を受けているという思いが生じてくるはず。
そのような心をこめた援助の大切さを学びました。
故堤啓名誉院長が語りかけるように話されていた言葉の一つ一つ。手探りではありますが、私たちはその志を受け継いで、精神看護ワーキングを通し、患者さんから学ぶ姿勢と精神看護を考える貴重な時間を得ています。

先日の研修会では、ある病棟でスタッフ全員が諦めずに向き合った、自立支援の取り組みを共有し合いました。
リハビリへの葛藤から、周囲への強い拒絶を見せられていた患者様。関わるスタッフにも、時には戸惑いや苦手意識(陰性感情)といった悩みが生じていました。
しかし、私たちは決して一人で抱え込みません。毎週のカンファレンスでそんな心の葛藤を素直に吐き出し、病棟全体で方針を統一。
「よくなってほしい」という思いを根気強く言葉にして伝え続けた結果、患者様自らが「自分でトイレに行ってみよう」と動かれるという、素晴らしい意欲の変化に繋がりました。
この話し合いには他病棟のスタッフも参加し、「私たちの病棟にいる似た葛藤を抱える患者様にも、この受容する姿勢や声掛けをぜひ活かしたい」と、それぞれの現場に学びを持ち帰りました。

「困難な関わりであっても、陰性感情を認めつつ、チームで諦めずに『よくなってほしい』という思いをどう伝えるか」をみんなで考え抜く。そんな当院ならではの温かい看護の視点や感性を、これからもお互いに褒め合い、高め合ってまいります。