

【 STのFさんから学ぶ、開口が難しい患者さんへの口腔ケア 】
~ふれること、ほぐすこと、つながるケア~
本日、STのFさんより、開口が難しい患者さんへの口腔ケアの方法を教えていただきました。
普段、なかなか口を開けていただけない方に対して、どうアプローチするか…これは私たち現場スタッフにとって、日々悩み続けている大きなテーマです。
Fさんが見せてくれたのは、「いきなり口もとに触れない」という、一見とてもシンプルだけれど、実はとても大切なケアのアプローチでした。
まずは、周辺よりアプローチする
それから、やさしく顎や頬の筋肉をほぐすように触れていき、自然な流れで、口まわり、そして歯茎のあたりに手が届くように進めていきます。
そして、歯ブラシを入れるタイミングも急がず、「ここに触れるよ」「もうすぐ歯をみがくよ」と、まるで会話をするような手の動きでアプローチ。これが、Fさん流の“ふれるケア”でした。
このアプローチを実践したところ、普段は頑なに口を開けてくれない患者さんが、そっと口を開けてくださったのです。
その瞬間、周りで見守っていたスタッフ全員が、
「おお〜…!」と感嘆の声をあげ、温かい空気に包まれました。
◆ ふれるケアが生む、信頼と安心
Fさんのケアを見て感じたのは、「口腔ケアは、信頼関係の上に成り立つケア」であるということです。
口もとはとても繊細で、人にとって“侵入”と感じやすい部位。だからこそ、そこに至るまでのアプローチや手順に、心の配慮が必要なのだと実感しました。
無理に開かせるのではなく、“安心して開いてもらう”ためのプロセスを丁寧に積み重ねていくこと。それが、ケアとしても、リハビリとしても、もっとも効果的な方法なのだと気づかされた1日でした。
◆ 日々のケアに、ひと工夫を
私たちは、つい「早く終わらせたい」「なんとか歯みがきをしなければ」と思いがちです。でも、今日の学びを経て、「どうすれば気持ちよく開けてもらえるか?」という視点に立つことが、患者さんの心と身体にとっての優しさ」なのだと再認識しました。
明日からのケアに、今日学んだことを少しずつ取り入れていきたいと思います。
そして、他の患者さんにも“安心して口を開いてもらえる関係性”を築けるよう、丁寧に向き合っていきたいです。
Fさん、素敵な学びの時間をありがとうございました。
※今後も、STさんたちとの連携を通じて、ケアの質を高める取り組みを続けていきます!
ブログをご覧の皆さまも、ぜひ身近なケアを振り返ってみてください。ちょっとした“ふれ方”の変化が、患者さんとの関係を大きく変えるかもしれません。